土用の丑の日と聞くと、あなたは一体何を思い浮かべますか?
ぱっと思い付くとしても、うなぎを食べる日というイメージが強いですよね。
その他にも夏さを感じさせたりなどしますが、実際土用の丑の日の意味とはどんな意味なのでしょうか?
日本人でも、土用の丑の日の意味について、最近の若者はよく分からないと思います。なので今回は、土用の丑の日の意味について紹介します。
「土用の丑の日」の意味とは?
土用の丑の日というと、夏にうなぎを食べるという勘違いが多いかもしれません。うなぎを食べる事に違いはないのですが、もちろん本当の意味は違うものです。
なにより土用の丑の日の意味を知るには、土用という言葉の意味を知らなければなりません。
まずは土用の丑の日の意味についてと、土用の意味について紹介します。
「土用の丑の日」は季節の変わりを意味する
まず土用の丑の日の意味についてですが、簡単にいうと季節の変わり目を意味しています。
土用というのは、立夏・立秋・立冬・立春がくる18日前の事を指しています。また昔は日にちを十二支で数えていたので、土用の丑の日とは土用の期間に訪れる丑の日となるんです。
土用は1年で4回あるわけですから、土用の期間も4回ほどある事になります。なので夏に土用の丑の日があるのに違いはありませんが、土用の丑の日は夏だけのものではないのです。
実は「土用」と「土曜日」は関係ない
よく小さい頃に、「土用の丑の日は土曜日だ」なんて勘違いをしていた人も多いと思います。
実際その勘違いをしている人は多いですが、「土用」と「土曜日」は関係ありません。
そもそも土用という単語は五行思想に基づいていて、「土」は万物を育成する事を表しています。万物を育成し、保護する季節の変わり目として、土用という言葉が出来た説はかなり有名です。
なのでその「土用」の意味に従って、滋養のあるものを食べるというのも「土用の丑の日」の意味の1つです。
毎年土用の丑の日は変わる
土用の丑の日というのは立夏・立春・立冬・立春直前の18日前の事を指すので、毎年日にちが違ってきます。
そのため去年は何日が土用の丑の日でも、来年になればまたズレたりなどする事が多いです。
例えば、2019年の土用の丑の日は1月28日、4月22日、5月4日、7月27日、10月31日です。また2020年だと、1月23日、4月16日、4月28日、7月21日、8月2日、10月25日、11月6日だといわれています。
年によって何回あるかどうかも変わるため、毎年毎年きちんと計算して土用の丑の日がいつか割り出しています。
割り出すのは非常に厄介ですが、なんとなく程度で覚えておいても問題はありません。
土用の丑の日に絶対鰻を食べなければいけないわけではないので、土用の丑の日の意味を知っておくだけでも十分です。
「土用の丑の日」に鰻を食べる理由とは?
「土用の丑の日」の意味は、よく分かったと思います。
ですが、なぜ土用の丑の日は「うなぎ」を食べるのかというのに疑問が浮かびますよね。実は、「うなぎ」を食べる意味には、様々な理由が関係しています。
次は、土用の丑の日にうなぎを食べる理由についても紹介します。
そもそも元は万葉集から
土用の丑の日に鰻を食べる理由1つめは、万葉集が関係しているんです。
実は万葉集の中で、鰻について詠った歌があります。その歌では、夏に痩せてしまうのなら夏に鰻を食べましょうと、ある人に向けられて歌われています。
つまりこの頃から、体調を崩しやすいときには鰻を食べるといいという観念があったのです。
確かに鰻には色んな栄養源が含まれているので、この万葉集で詠まれた歌に間違いはありません。
鰻は豊富な栄養源を含んでいるから
土用の丑の日に鰻を食べる理由2つめは、豊富な栄養源を含んでいるからです。
先程軽く触れましたが、鰻には色んな栄養素が含まれています。
例えば、ビタミンAやビタミンB群などの疲労回復や食欲増進を促す栄養素が代表的です。その他にも、カルシウムやDHA、EPAなども含まれています。
カルシウムは骨を作るための大事な栄養素で、DHAは脳の働きをよくしてくれます。
そしてEPAは血管系の病気の予防になるので、普段からとっておきたい栄養素ばかりを含んでいます。
ここまで栄養素を含む食べ物は中々ないので、せっかく鰻を食べるというなら、その日に食べておきたいものですね。
季節の変わり目だから
土用の丑の日に鰻を食べる理由3つめは、季節の変わり目だからです。
先程も紹介したとおり、鰻には様々な栄養素を含んでいます。そのため、体調が崩れやすい季節の変わり目には、かなり滋養にいい食べ物でもあるんです。
鰻に含まれるビタミンB1は疲労回復をしてくれるので、とっておいて損ではありません。
またビタミンB2は口内炎の予防や髪や爪などを守ってくれます。なので、どことなく体調が優れなかったり、爪や皮膚の様子が悪いときに鰻を食べれば、いくらか回復が望めます。
今後、鰻の価格が高騰したら食べる機会が減るかも?
最近、土用の丑の日に備えてスーパーに行っても、鰻がいつもより小さいだなんて事はありますよね。
それは鰻の価格が高騰したからで、今食べ物業界ではちょっとした問題になりつつあります。このまま鰻の価格が高騰してしまえば、もしかしたら今後鰻が食べれない可能性もなくはありません。
ではなぜ、鰻の価格の高騰化が進んでいるのか、それも紹介していきます。
鰻の価格が高騰化している原因とは?
鰻の価格が高騰している原因は、やはり年々とれる量が少なくなってきているのが大きな理由です。
実をいうと鰻は絶滅危惧種で、今も天然ものの鰻はそういません。例え養殖という手段があっても、このままでは本当に日本人は鰻を食べれなくなってしまうのです。
そのため今は、スーパーでは短くしたぶん太くする方法で売られる事が多いです。
正直「ケチくさいなぁ」と思う人も、少なからずいたと思います。ですが、鰻が絶滅危惧種で、今も獲るのが困難なのを知ると、軽々しくケチとは言いにくいでしょう。
そもそも鰻を食べられなくとも困らない
今、鰻の価格が年々高騰していく事で季節の風物詩はなくなりつつあります。
ですが実は、鰻が現在絶滅危惧種になっているという原因の他にももう1つ原因があるんです。それが、鰻を食べるようになった時代背景です。
実をいうと、日本人が鰻を普通に食べるようになったのは、バブル期以降といわれています。鰻は昔から贅沢品の1つで、バブル期であってもまだまだ一般家庭には広まっていません。
むしろ「鰻は贅沢品だから、スーパーなんかで買うものじゃない」という理由で売れなかったのです。しかしデフレが始まり、いよいよ世の中の状態は変わってきます。
鰻のような高級品がスーパーで気軽に買える事が、返って鰻の消費に繋がってきたのです。江戸時代でも、鰻屋の鰻が売れないため丑の日に鰻を食べる事で土用の丑の日が生まれた背景があります。
こういった金銭面的背景も、今後の鰻の消費について、厳しくつきまとう事は間違いありません。
鰻以外に食べるとよいものは?
土用の丑の日に鰻を食べるようになった説として、平賀源内説というものがあります。
丑の日に「う」のつく食べ物を食べれば元気になるという説ですが、本当にそんな事があるのでしょうか?
実をいうと、「う」がつくもので鰻以外に食べるといいものはたくさんあります。なので、鰻以外にも絶対に食べておきたい身体にいいものも紹介します。
うどんや梅、瓜など
鰻以外に食べるといいもの1つめは、うどんや梅、きゅうりです。
これは「う」のつく食べ物で、特に夏バテにはかなり効果的な食べ物です。やはり夏は鰻で精力をつけたいものですが、実際食欲自体が湧かないなんて事もありますよね。
そんなときは、うどんや梅などのさっぱりしたものを食べて胃を慣らすのが最適です。他にもきゅうりなどの瓜類にも、いくらか栄養は含まれています。
なので食欲のない夏場に、ぜひとも食べておきたいものとして覚えておきたいですね。
馬肉
鰻以外に食べるといいもの2つめは、馬肉です。
ここで「なんで馬肉?」と思うかもしれませんが、馬肉は馬の肉です。なので「う」のつく食べ物として、鰻以外に食べるのをおすすめされています。
馬肉はかなり栄養価が高く、さらにはカロリーは豚や牛の半分以下ともいわれています。さらには高タンパクで、鉄分とカルシウムも牛や豚の3~4倍とその栄養値は測りしれません。
今では一部の焼き肉店や、通販などでも気軽に注文できるようになっていますので、昔より手軽です。
ですがクセが強いので、中には馬肉は苦手という人も少なくありません。
牛肉
鰻以外に食べるといいもの3つめは、牛肉です。
これも馬肉と同じで、「牛の肉」と「う」がつくものなので、そういった意味合いからも来ています。馬肉には劣りますが、牛肉も色んな栄養素を含んでいます。
何より馬肉ほどクセはなく、安価にスーパーなどでも気軽に買える食材です。料理のレパートリーも豊富な上、牛のカロリーはほとんどエネルギーになります。
なので元気がないときには、ぜひとも牛肉を食べてみましょう。
まとめ
今回は土用の丑の日の意味について紹介しましたが、参考になったでしょうか?
やはり日本人だからこそ、昔から続く土用の丑の日の意味を知っておいて損はありません。今後も鰻を食べれるかどうかは分かりませんが、日本人にとって当たり前だからこそ今後も後世に伝えるべきものです。
もし鰻というワードを聞いたら、ぜひとも今回紹介した内容や土用の丑の日の意味を調べてみてはどうでしょうか?